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『ささめきこと』(いけだたかし)の表紙における心の距離について考えてみる。
[いけだたかし] ささめきこと4

いやぁ、、アニメ化も決定した『ささめきこと』の最新刊4巻がいつもどおりの百合百合しい展開がてんこもりでそのグレイトさにもう自分の百合アンテナは全方位に変な電波飛びまくってますよ(;´Д`)ハァハァ(←何だそれ

そしてこの作品の秀逸たる所以は表紙に写る二人の立ち位置が、そのまま漫画の展開、心の距離に反映されているという点にあると思うんですよね~。

ちょっとそのあたりに着目しつつ4巻までを振り返ってみたいと思います^^

※若干のネタバレあります。そして長文注意!(笑)

■『ささめきこと』の表紙と二人の距離

◇1巻
親友・風間汐(うしお)を中学のころから好きになってしまい、その想いをずっと秘めて高校生活を送り続けている主人公・村雨純夏

ささめきことレビュー1

汐「どうして女の子同士で愛しあったらいけないのかしら、、。」

汐はとにかくかわいい女の子に目がなく、一目惚れの回数は数知れず。

ささめきことレビュー2

純夏「中学の時からずっとそうじゃん。一人で勝手に思い込んで盛り上がって、どのみち女同士じゃ付き合ったりできないんだからいい加減やめたら?そんなバカな事。」

中学の時から一緒だった主人公・純夏は汐のそんな本性につらく当たる。でもそれは純夏が汐に対して抱く恋心からくるやきもちに他ならないものなんですな。

ささめきことレビュー3

-コワイよね 好きって言ったらトモダチじゃなくなっちゃうんだものね 

一般的な男の子と女の子の恋愛漫画のような「好き」とは全く別の意味合いを持つ同性同士の「好き」という言葉。百合漫画によくある女子高という舞台ならその言葉に尊敬や憧れが含まれ、少しは重さが変わってくるかもしれませんが、「ささめきこと」におけるその「好き」という言葉、男女が混在するごくありふれた高校生の日常においては異性同士の「好き」以上にものすごく重いものになってくるんですよね。

だからこそ「ささめきこと」=ささめく(小さな声で話す)べき秘密であり、この作品の肝になっているわけですな。まぁおおっぴらに女同士でキスしたり、付き合っていると宣言する朋絵×みやこみたいなのもいますがwそれが二人の関係に影響してきたりするのも絶妙すぎます

さて前置きが長くなってしまいましたが、そんな二人の心の距離を表紙から見てみると、、
[いけだたかし] ささめきこと1

無邪気な笑顔を見せる汐に遠くで半ばあきらめにも近い微笑みを浮かべる純夏

といったところから察するに一方的な純夏の片想いって感じですな。
で、内容を見てみると、、

ささめきことレビュー5 ささめきことレビュー6 ささめきことレビュー7

純夏の想いに気づかず、汐はあくまで友達として大好きというある意味もっとも残酷な形で接しているというような展開。

実質的な体の距離は一番身近でありながら、心の距離は最も遠いという状態。

ささめきことレビュー4

汐「・・・ずっと友達でいてね?」

1巻で汐が言ったセリフ、、これが今後の伏線として使われるとは思ってもいませんでしたね、、(後述)


◇2巻
ささめきことレビュー9 ささめきことレビュー8

百合小説大好き少女・蒼井さんの登場で、二人の関係に微妙な変化が?
蒼井さんと一緒に百合同人誌を作ることになった純夏と、女子部として朋絵たちと海へ合宿に行った汐。初めて(?)距離的にも離れ離れになり互いを想う気持ちを純夏はより強く、汐はその感情が何なのかわからず強くなっていく。

そして久しぶりのプールでの二人で遊ぶ姿は、、付き合いのさほど長くはない蒼井さんも感づいてしまうほどのまるで恋人のような雰囲気に。

朋絵「恋というものは自らの想いに気づくことなく、その境界線上にある時が一番美しいと思うんだ。奥へ分け入り泥に沈むも後へすさって茨を踏むも、、それはそれで私は好きだがね。」

このセリフは百合的な観点から見たとき確かにいろいろと妄想が掻き立てられて一番悶えることが出来るシチュだと思いますな~。

蒼井さん「二人とも好きあっているのに、お互いそれに気づかないばかりか一人は自分の気持ちにすら気づいていない」

この言葉こそがまさに2巻の表紙から感じられる純夏と汐の心の距離だと思います。
[いけだたかし] ささめきこと2

1巻よりも距離が縮まり、そして二人とも同じ方向を向いている(=互いに好意も持っている)。しかし純夏の視線(好意)は汐に向けられるも、汐はまだその視線(好意)に気づいていない。

一番微妙な距離だけど、妄想でご飯どんぶり3杯はいける状況ですな(;´Д`)ハァハァ

◇3巻

ささめきことレビュー10 ささめきことレビュー11
ささめきことレビュー12

ふと気づくと、最近汐がかわいい女の子を見ても反応しなくなっている?と朋絵が指摘し、好みが変わっているのでは?と純夏の想いが通じるときが来た!?

とそこへ、純夏の元へやってきたドイツ人飛び級少女・ロッテが現れる。見た目はお人形のような金髪幼女、それを見た汐、、、やっぱりかわいい女の子好きは変わってなくて純夏のぬか喜びに終わる。

そしてロッテにばかり好意を向ける汐に純夏は苛立ちを隠せなくなり、かわいくない、強い女である自分を好きだと言ってくれたロッテと、いつまでも自分の気持ちが通じない汐に思いっきり当たってしまう。

純夏「私は小さくもカワイクもなれないからっ、、、!!!」

初めての衝突。

そのまま風邪で寝こんでしまった純夏は、自分がしてしまったことに後悔し、お見舞いに来ていた汐に気づかず号泣してしまう。そしてそれを聞いてしまった汐は、、、、

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ついに自分の気持ち(純夏に恋をしている)に気づいてしまった汐。
その日から純夏と入れ替わるように学校を休む汐の元へお見舞いに行く純夏。

純夏は汐と喧嘩してしまってけど仲直りも出来た、こうやってまた一緒に過ごせて、そして汐の視界に自分がいることをうれしく思い「友達」っていいな、想いを伝えて壊れてしまうくらいならずっとこのままで、、と思うようになってしまっていたのです!

なんというすれ違い!!・゚・(つД`)・゚・

そして、、、

汐「ずっと友達でいてね、、?」

ここであの1巻のセリフを使ってくるんですよ!?あの時とは心の距離が全く違う、そしてその言葉の重みも遥かに重いこの状況でですよ!?もう鳥肌立ちましたねっ!((゚д゚))ゾクゾクゥッ!

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:. ; :・ ..゚ :
;y=ー:.` ;:・∵゚. バキューン
\/| y |)


もうね、ここで3巻が終了とか地獄過ぎましたよww
マリみての「レイニー止め」並に次巻が待ち遠しかったですねw

そしてこれらを総合して3巻の表紙を見ると
[いけだたかし] ささめきこと3

二人の距離は急接近!でもその視線(好意)は、純夏は友達として汐と一緒に過ごせる今の状況が一番いいのだと割り切り、汐の方から逸れてしまい、逆に汐は自分の純夏への想いに気づき視線(好意)はこれでもかと純夏に向けられています

いわば心の距離が近く、でも二人の想いはすれ違っている、といった状況でしょうか。

◇4巻
ささめきことレビュー17

思わず抱きついてしまった汐は、中学生のころに女の子に告白したときの相手の表情と言葉を思い出してしまう。

「・・・気持ち悪い」

この作品は、物語の舞台としては実にごくありふれた日常を選んでいるところが百合としての、女の子同士の恋の説得力を増しているんだと思っているんですよね。

普通の女の子からしたらこの反応は当然ともいえます。思わず後悔してしまった汐は純夏を恐る恐る見上げると、、、

ショックと風邪の治りかけが再発して気絶してましたw

ささめきことレビュー16

汐は純夏への想いを、純夏にしか聞こえないようにささめく、、、

もしここで純夏が起きていたら二人の心の距離は0になり、終了、、、なんですがねぇ、、、(´;ω;`)

キョリちゃんタイミング悪すぎww

あ、キョリちゃんってサナギさんがそのまま大きくなったみたいな笑顔がかわいい女の子ですよね^^

自分の気持ちに整理をつける汐は、純夏を見送ったあと
ささめきことレビュー18

絶対に嫌われたくないという心の底からの想いを言葉と涙と一緒に出してしまうのでした。

そして次の日、学校で会ったとき、純夏にかけた言葉は、、
ささめきことレビュー20

汐「すみちゃんとはずっと友達だもの」

。・゚・(ノД`)・゚・。

両想いなのに、二人ともその感情は交わることのない平行線=友達として一緒に歩いていこうというこれまで以上にツラい状況になってしまったわけです。

そこから改めて4巻の表紙を見てみると、、
[いけだたかし] ささめきこと4

同じ方向を向いて歩き出した(両想いになった)けど、友達として割り切った純夏の表情と視線とは裏腹に、汐だけは自分の想いを秘めることにしその表情と視線は見てとれなくなってしまっている。

こうなってしまうとなかなか想いが互いに通じることが遠くなってしまいますよね・・・(´・ω・`)



■「ささめきこと」のまとめ

とまぁ自分勝手に表紙から見る二人の心の距離を解釈してみましたがいかがでしょうか?ちょっとこじつけすぎな部分もありますが、この連動はとても秀逸で、毎巻表紙をみるだけで妄想でごはんがススムくんですよ(;´Д`)ハァハァ

だから二人の恋の結末がハッピーエンドに向かうならば、絶対に最終巻の表紙は互いに向き合って笑っていると思いますね^^

今回はこの二人に焦点を絞っていますが、登場してくるキャラが物語の、二人の心の動きにとても影響してくるのでとても重要なのもポイント高いですね。
まぁそんな中、一番ノーマルなキョリちゃんの存在がとっても癒されますw

4巻は本編はほんのちょっとで、あとは純夏が汐をどのようにして好きになっていったかを描く中学時代のお話が中心でした。でもこれをやってさらに物語に深みが出てきましたね^^

続き物として現在連載されている百合作品で個人的に
「ささめきこと」(いけだたかし)4巻まで
「青い花」(志村貴子)3巻まで
「GIRL FRIEND」(森永みるく)2巻まで

は今年くるかもしれない百合ブームに乗り遅れないためのマストな作品だと思いますよ!\(^O^)/

他の百合作品は表紙でこういった手法を使っているか自分の持っている限りの百合作品で調べてみたけど、他にはなかなか見当たりませんな。(短編集が多いってのもあるけど)
「最後の制服」「少女セクト」あたりは若干それらしい意味を取れなくもないですが、ちょっと無理があるかな?w
性的な接触のある「楽園の条件」「半熟女子」は表紙からして心の距離は0だしねw

長々とここまで見てくださったかた、自分の妄想に付き合っていただきありがとうございました~\(^O^)/


>>関連
◇両想いで擦れ違う、「ささめきこと」は見せ方の構成も上手い。(記事元:真・業魔殿書庫様)




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この記事のコメント
どうも私、いえろと申します!
実は前々から影で拝見してましたwww百合スキーなんですが、ココを見て初めて「ささめきこと」を知って、大ファンになりました!!
百合、最高www
表紙の考察、すごい納得です!本当すごい感動して思わずコメントしてしまいましたww
「ささめきこと」はアニメ化も決定したことですし、百合ブームに拍車がかかるかと!うれしいな~v
すいません、こんなことで…w
でも気持ちを伝えられて(一方的w)よかったですwww
これからも応援してます!また来ます!!
2009-03-29 Sun 23:10 | URL | いえろ #hE4kmW4M[ 内容変更]
[]
>いえろさん
 コメント、ならびに長々とした記事を読んでくださりありがとうございます\(^O^)/

いやぁ「ささめきこと」の百合っぷりは、すれ違いを絶妙に絡ませてあってもう悶絶死しそうなくらい妄想でごはんがススムくんですよ~(←イミフ
今回の考察もどきはそんな思いをなんとか記事したいと思いまして書きました。

今年は個人的に大プッシュしている3大百合漫画のうち二つもアニメ化されて夢のようです。これを気に百合ブームが来るといいですねぇ。

マリみての百合とはちょっと意味合いが違うのもポイントですしね~。百合も奥が深い世界ですね!

これからもよろしくみてやってください~^^ノシ
2009-03-31 Tue 16:43 | URL | SIZ #-[ 内容変更]
トラックバックさせていただきました!
表紙絵と2人の立ち位置が心の距離をそのまま表しているとか…
すごい着眼点&それをまとめる文章力に脱帽です(>_<)

アニメは「ガン×ソード」や「バンブーブレード」を手掛けた倉田英之さん×AICさんタッグ、
しかも倉田さんと親交の深い菅沼栄治さんの初監督作ということで、
原作ファンも納得の出来に仕上がるのではないかと期待しています!
もし「青い花」と同時期放送だったらきっと…
今年の夏は眠れない夜を過ごすことになりそうです…
2009-04-02 Thu 11:42 | URL | がりモル #-[ 内容変更]
[]
>がりモルさん
 3巻あたりから書こう書こうと思ってたんですが、ようやく形にできました^^
ちょっと無理やり感がなきにしもあらずですが、楽しんでいただけたら嬉しいです~。

今年は百合の嵐が来る!

2009-04-03 Fri 18:27 | URL | SIZ #-[ 内容変更]
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2009-04-02 Thu 11:26 あるアッタカサの日常
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