
2009-06-28 Sun 18:16
![]() 神。 まぁ神様と崇める人たちがやる音楽なんですから神なのはわかってましたが、ここ数作取り入れてきた実験的要素を昇華し作り上げたダーク・メタリック路線の集大成といってもいい内容でした。 デビュー20周年、スタジオアルバム通算10枚目という節目となるにふさわしい神盤『Black Clouds & Silver Linings』 これまでどおりの卓越した演奏技術によって展開される超絶技巧はもちろん今回もたっぷり入っていますが、メンバーが意識したと明言しているYESの『Close To Edge』、RUSHの『HEMISPHERES』といった大作志向において、随所に見せる浮遊感を伴うような壮大な(エピック)空間を感じさせる展開がここ数作にあった難解なイメージを払拭しているように感じました。(5,6曲目が顕著) また一方でそういった大作とは対極にある歌とバンドサウンドを重視したコンパクトな曲、これまでどおりの幾重にもめぐらされた展開に圧倒される難解でメタリックなストロングスタイルとも言うべきプログレッシブメタルといった大まかに分けて3通りのスタイルが今作の特徴でもありますね。 それらに注目しつつ収録曲をレビュー~^^
1曲目・Nightmare To Remember
DreamTheaterのここ数作のダーク路線の延長にあるといったテーマを決めながらも、次々と展開が現れれては変化を繰り返すストロングスタイルタイプ。しょっぱなから16分とかw 冒頭のイントロがなんだかとってもシンフォニックデスメタルな感じで噴いたw というかこの曲の内容自体がギターのジョン=ペトルーシが幼いころに体験した悪夢のような事故(親戚の結婚式の帰りに車が突っ込んできて巻き込まれて。気づいたら病院のベッドの上だった)をもとに書かれた曲で、幾重にも重なる変拍子を駆使した展開がまさに悪夢を思い起こさせる。 そしてイントロや歌詞からも感じられるB級ホラー映画的な曲全体の雰囲気がこれまでのダーク路線とは一線を画すところではないでしょうか。(Aメロのジョーダンのキーボードのヒョロロロ~みたいな音とかモロにホラーのそれ) そんな中ここぞと聴かせる美しい歌メロとの対比も素晴らしい(6:15~あたり)。 後半の各ソロパートは毎度のことながらライブ無理だろ!wwみたいな理解不能なフレーズやらありますが、難なくこなすんでしょうな~w ドラムのマイク=ポートノイによるラップは個人的にはダメだろとオモタw むしろマイキーのコーラス好きじゃないのよね(^ω^;) アウトロで聴かせるDT史上初のブラストビートの導入も必要性をそこまで感じなかった。というかマイキーのブラストビートは綺麗過ぎて迫力に欠けるというか、、、ブラックメタルのブラストビートはなんか殺気がこもってるもんなw 2曲目・A Rite Of Passage シングルカットもされているリーダートラック。フリーメイソンを題材にした歌詞が物語っぽくて面白い。 曲の特徴はコンパクト(それでも8分あるけどw)タイプで、歌メロを重視したもの。 曲全体の雰囲気としては様々な国の情景が浮かぶような多国籍なメロディを感じさせ、サビにおけるキャッチーな歌メロとバックで鳴っているギターの若干泣きの入ったメロディーの組み合わせはとても耳に残ります。 ソロにおいてジョーダンが聴かせる変態プレイ、いつものようにMoogあたりを弾いているのかと思いきや、えのくまうー太さんによるとなんとiPhoneで演奏しているとか!w(ライブ限定?) ジョーダンの新しい楽器への探究心の強さには毎回感心します。鍵盤さえあればもうどんなものでも極めてしまいますしな~、、まさに鍵盤の魔術師!w ■iPhoneで遊ぶジョーダンの動画はこちら ■A Rite Of Passage (Downlord Festival 09’ Live) 3曲目・Wither ダークバラード。これも同じくコンパクトかつ歌メロ重視。DreamTheater的に見て5分とか何の冗談?っていうくらい短いけど(えー)、8thアルバム「Octavarium」に収録されていた「I Walk Beside You」に通じるわかりやすさ。もっというならX JAPANのバラードみたいなw 難解なパートは一切ない、かといって凡庸な演奏であるはずもなく(笑)各パートのやっていることの細かさの積み重ねによって重厚で壮大な曲に構築されていってるんですな。 アルバム屈指の歌メロの美しさ。特に2回目のサビの後に入る壮大なオーケストレーションは天を仰がんばかりの煌きを感じさせ、そこから静寂の中ラブリエのVoとジョーダンのピアノだけのパートへの展開は鳥肌もの。ここの部分のラブリエの歌唱力・表現力は未だに進化を続けているなと感じさせます。 4曲目・The Shattered Fortress ストロングスタイルのプログレメタル。 6thアルバム「6DOIT」のGlass Prison、7thアルバム「Train Of Thought」のThis Dying Soul、8thアルバム「Octavarium」のA Root Of the Evil、9thアルバム「Systematic Chaos」のRepentanceと続いてきたビル=ウィルソンが提唱するアルコール依存症を克服するための12のステップを再現した組曲の最終章(ステップ10~12)にあたる。 これが相当に神ってる。 個人的にRootOfTheEvil以降はそんなに好きではないのですが、この曲はこれまでの4曲のリフ、展開、メロディ、ソロを再構築して1曲の楽曲に仕上げているいわばメドレーともいえる内容。その完成度の高さはかの「Live At 武道館」で見せたインストメドレーばりのクオリティで、新たな展開を見せるごとに見せるこれまでの曲のリフなどにたぎりっぱなし!( ゚∀゚)o彡゜ ほんとに違和感なく次から次へと展開していく様は初回聴いたときあまりの凄さに置いてけぼりをくらったほどw コード進行やリフはこれまでの4曲でもちらほら見せてはいたんですが、これらを1曲にすることを考えて計算して作りこんでいたらとんでもないなw 曲のエンディングでこれまでの4曲のオープニングをもってくるあたりとか上手すぎてニヤニヤが止まりませんでした!マジゴッド! 5曲目・The Best Of Time DreamTheaterの新たなる可能性として今作垣間見せた大作志向でありながら、難解さを見せないというタイプの曲。 またこの曲はDreamTheaterの名づけ親でもあり、マイク=ポートノイの父、バンドの父でもあるハワード=ポートノイに捧げられた非常にパーソナルな内容。ガンの闘病生活の際にこの曲を完成させ聴かせたときに涙を流して喜んだとか。最期に息子たちの未来の明るさを知って安心して逝かれたでしょうな(´;ω;`)ウッ そして楽曲の方はというと、イントロは父への懐古を思わせる静かでやさしいメロディが流れる展開。(なんか旧劇場版エヴァの「Air/まごころを君に」の途中にあった休憩シーンの音楽に似てる気がするw) そしてAメロに入ってからの楽しかった思い出を思い起こさせるようなポジティブなメロディ(LiquidTensionExperimentのUniversal Mind的な)、そして終盤に進むにつれ、より感動的で壮大な音空間を作りだし、それはハワード=ポートノイ氏への鎮魂歌でもあり、賛美歌のようにも聴こえる。終わり際のペトルーシによるギターソロは涙もの。13分に込められたメンバーの感謝の気持ちが伝わってくるハイライトともいえる1曲。 6曲目・The Count Of Tuscany これも大作志向でありながら(アルバム中最長の20分!)それを感じさせない知的で深遠な展開が新しい1曲。 序盤から繰り広げられる各インストパートのソロが作りあげる緊張感はアルバム中でも屈指の素晴らしさ。変拍子による難解さを微塵も感じさせず、息をするように自然に展開していく様は見事としかいいようがない。またYesやRush風味と感じさせる要因の一つでもある13分あたりからのサウンドスケイプ的な音空間による展開がこの長尺の曲においてのポイントでここからエンディングへの盛り上げ方が秀逸!感動的なメロディの洪水ともいえる最後を聴き終えたあとはもうビクンビクン、、!ってなるしかありませんでした、、、(えー とまぁアルバムを通してレビューしてみましたが、こうやって改めて書いてみるとほとんど不満点らしきところが見当たらないんですよね~。 ダークな音世界であるのに、ここぞと聴かせるメロディの煌きはまさに一筋の光のように。 アルバムジャケットに示されている神秘性がそのままピシャリ表現されているんですよね。かの初期の傑作「Image&Words」や「Awake」のジャケットで見せた内省的で意味深な、いかにもプログレっぽい知性を感じさせるこのジャケットは即携帯の壁紙になりましたw これまでもアルバムごとに作風が変わって賛否両論を巻き起こしてきましたが、必ず時間がたてばその作品ごとにファンがついて、それがプログレメタルバンドとしてスタジアムを満員にできる人気を得るまでに成長してきた要因でもあるんでしょうね。 そして今作はマニアからこれからプログレを聴こうと思う人までどんな層にも訴えるほどのクオリティの高さを備えている歴史的名盤であると思えてならないです。(←大げさか?w もうプログレというジャンルではなくDreamTheaterという確固たるジャンルが確立された記念碑的アルバムの採点は 96点!!(100点満点中) で! ベスト3に入る(MP2が99点、I&Wが97点、4位はToTの95点)これからも末永く愛聴していく神盤でした^^ ※一応3枚組限定版を買っていますので残りの2枚は明日、追記で簡単にレビューします。 間に合わなかった、、、(;´Д`) ちなみにDisk1は10周、Disk2は4周、Disk3は2周聴きこんでからのレビューです。
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前作が残念な結果だったんですけど今回は良作でしたね
作曲クレジットからラブリエがハブられてたのが気になりますけどw どの曲も良いですけどThe Count Of Tuscanyが1番好きです あとマイキーのヴォーカル自重しろw
2009-06-29 Mon 21:24 | URL | まりも #-[ 内容変更]
>まりもさん
今回はふと聴きたくなったら延々ヘヴィロテしちゃいそうなくらい聴きやすいですよ~。 せっかくクレジットがDreamTheaterだったのにまたなんでそんなことしますかね~^^;(マイキーの仕業か!? 自分もThe Count Of Tuscanyが一番です。序盤~中盤のインストの暴れっぷりと後半の壮大なエンディングへ向かう展開がたまらない! マイキーが自分の楽器クレジットに(Drum,Vocal)って書いてたあったときはちょっとイラッってきました(゜ω゜#) あまり好きな声じゃないです。マイキーってのがダダわかりすぎて。 ジョーダンの声は結構綺麗だった気がするんですけどね~(なんかのDVDで歌ってるの見た覚えが) まだDISK2について言及してないので近いうちに追記します~^^ 私もようやく買ってきました(もちろん4200円の方)
まだ5周ほどしかしてませんが、早くも神盤決定です! 前作は、正直期待外れだったけど、今作は当分飽きなさそうな予感。 ダークかつプログレなんだけど、メロディアスで聴きやすいので、DTを聴いたことない人にもオススメできる作品だと思います。長ぇよ!って突っ込まれそうですがw 気に入ったのは1曲目と6曲目ですね。 ただ、マイキーのラップは無いwどこのジャイアンだよww あと、ブラストも綺麗すぎて微妙でした。 Disc2のレビューも楽しみにしています^^ >めりんださん
押しと引きの展開が絶妙すぎますよね!長い曲も全然ダレない。今までは大作といったら緊張しっぱなしな部分があって疲れてましたが(笑)そういった緩急のつけ方一つで表現力がまた増したように思います。 今回のメロディは美しいというイメージが強いです(Mp2やI&W的な)。最近はカッコいい系が多かったんですが。 やっぱり6曲目ははずせませんね! まぁどの曲も好きですけどね! マイキーはもうちょっと自重しろって感じですよ、、歌が上手いわけでもないのにでしゃばりすぎだ!w ラブタンに任せろ!でもラップはいらないとオモタw ブラストは全然迫力なかったですな、、、キレイすぎるw Disk2、書くの遅れてます!ていうかFairWarningの新譜も神すぎてそっちも聴きこんでいるので。 |
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