
2009-10-20 Tue 00:55
![]() ![]() いやー、宮原るり先生の『みそララ』が面白すぎて仕方ありません!(挨拶) もう一つ連載されている『恋愛ラボ』の中学生とは違い、キャラクターの年齢層が若干高めに設定されていて社会人という自分に近い立場にあるので、ネタもまた親近感溢れるものばかり。 社会人としての苦労や成長をこれほど面白く、そしてほっこり感動させてくれる『みそララ』には4コマ漫画ということを忘れてしまうほどの何かを感じるのです。 その何かとは宮原るり先生のもう一つの作品で、ちょっと前に出た『恋愛ラボ』3巻にも感じていて、なかなか頭の中でまとめられなくて記事に出来なかったのですが、この『みそララ』3巻でようやくカタチになりました。 宮原るり先生の4コマ漫画における物語の見せ方と楽しませ方について見てみましたー
■コマ割りの使い方
◇コマ枠の外で見せる多彩な遊び心 例1) 『みそらら』3巻 60Pより ![]() パンフレット作成のためのデザインで穀物トリオ(麦・米・粟)でアイディアを出し合うシーン。この前のシーンまで先輩・梶浦が「通りがかったから」とかいってさらっと助言したりしてたんですが、このひと段落アイディアがまとまったところでコマ外からさらにツッコミがw 例2)『恋愛ラボ』3巻 34Pより ![]() 男子に好感をもたれる食事の仕方について研究(笑)をするマキとリコ。 ちょっと(どころではない)ズレた感覚を持つマキの次々に繰り出す案にことあるごとに(4コマ目で)ハリセンでツッコミを入れるリコw ここではツッコミを入れられたマキの真意についてフォローが入ってたり。 といったような4コマ漫画という起承転結の展開にエピローグ的な要素を加えたいわば4.5コマ漫画ともいえる手法がいたるところに使われていて、1本(4コマ)読み終えてさらに楽しみを持続させつつ次の1本へ移っていけるように感じます。 また『みそララ』3巻においてはこんなことも。 例3)『みそララ』3巻 48~49Pにかけて ![]() ![]() ファッション雑誌の街頭アンケートの取材に悪戦苦闘する麦。そこへ担当じゃないけど様子を見にきて手伝ってくれることになった米と粟。 体育会系の体力ある営業部門の粟は20分も離れたところまでアンケとりに行ってたりw 慣れない初めてのアンケート調査で悪戦苦闘する麦と米の姿を上の本コマの方で描きつつ、側にいない粟の姿をコマ枠の外で描いて見事に合流させる。 この流れが実に見事で4コマにとらわれない、ページ全てが漫画とも言わんばかりの面白さがあちこちにちりばめられてますね。 ◇ここぞというところで使われるコマの段ぶち抜き 4コマにとらわれないという作風で一番顕著なのが段ぶち抜き。 スイマセン、これが手法でなんというのか分からなくて適当に自分でつけましたが(笑)ニュアンスは以下の例を見てもらえば分かると思います。 例4)『恋愛ラボ』3巻 91P ![]() 3巻までただの1度も心の底からの笑顔を見せたことがないサヨが見せる初めての笑顔。 このシーンに至るまでのプロセスはまた別に語るとして、4コマという小さなコマでは表現しきれない印象的なシーンを大胆にコマを無くすことによって描ききってます。 このシーンはホントにほっこり、じんわりと響きましたね~。 こういうコマの使い方は『みそララ』よりも『恋愛ラボ』の方が多く見られますね。 いわゆるこういったハイライト的な使い方、強烈なインパクトを与えるための使い方(リコ、ご乱心?、エノの「お前の父ちゃん、ランジェリー!」事件)などなど。 『みそララ』においてはデザイン会社を舞台にしている漫画らしく、コマ割りは印象よりもデザイン(見た目)重視? 例5)『みそララ』3巻 39Pより ![]() 例6)『みそララ』3巻 58Pより ![]() うーん、可愛くもスタイリッシュ! ◇他、4コマ漫画らしさを感じさせないコマ使い 『みそララ』においてよく見られるのが反復による8コマ漫画? 例7)『みそララ』3巻 30P ![]() 例8)『みそララ』3巻 82P ![]() 同じような構図を使っての対比だったり、苦悩だったりがテンポよく伝わってきます。 また4コマという起承転結の結にあたる4コマ目に 例9)『みそララ』3巻 80P ![]() セリフのみを持ってくることにより、ネタと同等にストーリー性も重視していることが伺えます。 ■物語の構成において幾重にも貼られた起承転結の構造。 4コマ漫画としては珍しいほどにストーリー性の強い『みそララ』と『恋愛ラボ』。 しかし物語の構造を見てみると実に起承転結という基本に溢れた4コマの連続で成り立っていることが分かります。 4コマ1本の中での起承転結 ↓ 1話内での起承転結 ↓ 単行本1冊での起承転結 ↓ 作品全体での起承転結 ここで強く言いたいの単行本単位での物語の構成が見事だという点。 小さな起承転結の積み重ねがそのまま大きな形となって結実していく流れが素晴らしいんですっ。 たとえば『恋愛ラボ』3巻における構造は
また、『みそララ』3巻における構造は
といった感じ。 単行本というサイズで一気に読んだ場合、この物語の構成は4コマ漫画とは思えないほどのストーリー性と感動を味わうことが出来ます。 一つ一つの細かい起承転結の連続で出来ているからテンポよく読み進めることができるし、壁を乗り越えていくキャラクターたちの成長が目に見えてわかりやすく、1冊を読んだあとの読後感の気持ちよさがハンパないです。(『恋愛ラボ』は若い分、若干先が思いやられる的な終わり方多いけどw) ■まとめ 宮原るり先生の作品で何が一番の魅力かっていうと、何か一つの目標のためにキャラクターたちがそれぞれの持ち味を出して力をあわせていく姿が面白くも可愛いこと。 それを上に上げたような、読者を隅々まで楽しませてくれるようなコマ割りや、細かい展開(4コマの基本である起承転結)の連続によるテンポの良い飽きの来ない構成で見せてくれることだと思いますね。 ゆるーい日常を描いたり、部活をする女の子たちのキャッキャッウフフの4コマも確かに好きだし、面白いけど、ストーリーを上手く絡めるとここまで面白くなるといった4コマ漫画の可能性を宮原るり先生の作品で見たような気がします。 特に社会人の方に『みそララ』をオススメです!\(^O^)/ 彼女たちの仕事への苦悩と成長が親近感あって、それがまた面白くも可愛いいのですよね~。グレイト!! アニメ化希望!京アニで!(←しつこい >>関連記事 ◇恋に仕事にがんばる女の子たちが面白かわいい 『恋愛ラボ』(宮原るり) ◇宮原るり先生公式 最近の先生の描く女の子の可愛らしさはドツボすぎて息をするのもツライくらいです、、、(えー ■余談 宮原先生の『となりのネネコさん』を未だに読んでいないのはマズい気がする、、w 他にも4コマらしからぬ作品があったら読んでみたいなぁ~。 キララ系作品もそれほど詳しいわけではないので何かあったら教えてください^^
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となりのネネコさんはさくしゃのHPで公開してた作品なんで雰囲気を知りたい人は読むことをお勧めする
単行本はほぼ全部書き直し 作者の成長が伺えます
2009-10-20 Tue 21:09 | URL | #-[ 内容変更]
どうしてくれるんですか!
ここの記事のお陰で、みそララ既刊全巻買っちゃったじゃないですか! ありがとうございます! 面白かったー!(^_^)
2009-10-21 Wed 21:13 | URL | てんもん #-[ 内容変更]
>名無しさん
なんと!そうだったのですか。単行本がうんぽこコミックスという聞きなれないところから出ていて、うんぽこ自体なかなかお目にかかれず、いつもいく本屋さんには「ねねこさん」の2巻だけがずーとあるという、、w 基本、本は本屋さんで買うのがポリシーなんですが、もう入荷の期待も薄いのでそろそろ絶版になる前に(?)ネットで3巻まで買いまーす。 にしても最近の先生の女の子の可愛さはパネェっす。1巻と3巻じゃ全然違うっ!(←コラッ! >てんもんさん
いやー、買ってもらえて嬉しいですっ\(^O^)/ ぜひ「恋愛ラボ」もどーぞ! |
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