
2010-01-16 Sat 17:40
![]() いやぁ、年に何度かは必ずピシャリと自分の笑いのツボをついてくれるシュール系ギャグ漫画はあるのですが、2010年が始まって間もないこんな早い時期にこのような作品に出会えるとは思わなかったです。 今回ご紹介するのは『はるみねーしょん』でおなじみの大沖先生の最新作『ひらめきはつめちゃん』第1巻です。 ■第1話に凝縮された「はつめちゃん」の魅力 ![]() 主人公・平目木はつめちゃん(7) 発明家であるおとうさんの仕事みていたらなんか適当にいろいろ作れるようになった。(えー ![]() おとうさん・平目木はつのり。絵に描いたような無個性でどこにでもいるような冴えない人(言いすぎ 一応、発明家らしい。 基本、この二人の微笑ましい日常を描いていくわけですが、、その日常をぶち壊す物体が平目木家に現れるわけですよ。それは、、、 ![]() !? はつめちゃんが学校の図工の時間でつくったという「はこ」。しゃべってる!? 発明家のお父さんもさすがにビックリw はつめちゃんは他の子よりもちょっとだけかっこよく作ってみたくなったらしいけど一体どうやって?とお父さんが聞くと ![]() ネジだけ!? しかもこのネジは超高密精細基盤を内蔵しているらしいけどはつめちゃんがてきとうにつくったとかw とりあえずおとうさんははつめちゃんの意外な才能(?)に理屈はいいけどまぁいいかと(いいのかよw)改めてこの謎の「しゃべるはこ」について調べてみると、上面に穴が3つ開いてるみたい。 そこにははつめちゃんがてきとうにつくったネジをしめることによってさらに「しゃべる」以外の機能が追加されるという優れもの(そうか? おとうさんは世紀の発明に喜び勇むようにその追加機能を試してみるのですが、、、 ![]() \やべえ/ はつめちゃんが「逃げたほうがいい」という機能が発動したみたい。カウントダウンまで始まってしまい、外で見ていると、、 ![]() \やべえ/ 発明漫画(ってジャンルなのかはさておき)において爆発オチはありがちだけど、直前まで人の斜め上をいく変化球、しかも消える魔球くらいの展開を見せておいてのこの直球勝負に自分は第1話目にしてストライクバッターアウトとなったわけですよ、、。(イミフ 大沖先生といえば\(台詞)/なわけですが、シュールな間にこのフキダシ外の台詞が加わることによって即効性を持たせている気がしてなりません。 さらにはつめちゃんは特に大事なことは2回言います。噴出し+\台詞/によりさらに子供ながらのおどろきを表現しているのでしょう。 もちろんその他にも噴出し+\台詞/の利用例はありますが、あるのとないのとではシュールさも変わってきますし、何よりも畳み掛けるようなテンポがなくなります。だからこれは大沖先生の作品における非常に重要なアイデンティティだと言えるでしょうね。 ■様式美ともいえる変化球→直球勝負の展開によるテンポの良さ お父さんの無くなってしまった基盤を探す回。 はつめちゃんが「はこ」の無くしたものを探させ、その場所まで行ってくれる機能を使おうとネジをしめるわけですが、まぁ「はこ」の下に車輪が出てくると思うのが普通ですが、、 ![]() 横から!? まぁはつめちゃんの発明だからね、そのまま横に倒して使うんだろうなと思っていたら ![]() タイヤ必要ねぇ、、、 次から次に投げてくる変化球に読者はキャッチだけで手一杯になりますよw そしてそれだけ振り回しておいて、意外とオチがおとなしいのが魅力というのも不思議なところだったりします。 ■常識と非常識の共存する空間のバランス感覚の良さ ![]() いとこの照茂ケイちゃん 彼女の存在がまた面白い。普通、大人ならばおとうさんのように振り回され、マジレスしちゃうのが当たり前の反応なんですが、ケイちゃんはちょっと違います。 はつめちゃんと一緒にお留守番をして、部屋の掃除をするお話。 いつものように「はこ」の便利(?)機能を使って掃除をしようとするはつめちゃんですが、「はこ」がどうやって手伝ってくれるのか、ケイちゃんは想像します。 ![]() アゴから(手が)出た!! 普通ならここでツッコむべきなんですが、ケイちゃんは受け入れます。そしてその手が「窓を拭いてくれる」のかと期待してしまうんですが、、 ![]() (雑巾を)しぼるだけ!! はつめちゃんのやることを純粋に、そしてポジティブに受け止めてくれるんですよ。 そこにマジレスしちゃうようなお父さんが加わることによって生まれる三角関係はまさに大沖先生の作品における常識と非常識がせめぎ合う黄金比だと言えるでしょう。 ■まとめ この他にもはつめちゃんのおかあさんだったり、同級生のたっくんだったり登場人物は増えてきますが基本ははつめちゃん×おとうさん×ケイちゃんを中心に進んでいきます。 ゆる日常系シュールギャグ漫画を面白くするためのひとつの要素としてのテンポの良さを独自の手法で展開し、さらに言葉遊びまで取り入れていきます。 『サナギさん』『日常』といった作品が好きな方には特にオヌヌメします\(^O^)/やべぇ >>関連記事 ◇日常で発見できるたくさんの非日常を楽しむ 『サナギさん』 ◇この畳み掛けてくるズコーの嵐に耐えられるか!? 『日常』(あらゐけいいち) 3巻 ![]() 大沖先生のもうひとつの作品『はるみねーしょん』もオススメ。 こちらは第六感で感じるようなシュールさより言葉遊びによる独特のゆるさが特徴。 キャラクターの名前から、扉絵でのCDジャケットのパロまでセンスあふれる遊び心が光る作品です。
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