
2007-09-23 Sun 17:35
![]() 謎の怪人とおぞましき殺人事件、そしてある“片思い”、、 霧深き19世紀の倫敦(ロンドン)を大混乱に陥れた都市伝説を元に描く胸躍るゴシック活劇!!(帯より) 最近は青年誌での連載が主になっている「うしおととら」「からくりサーカス」の藤田和日郎先生のモーニング連載での「邪眼は月輪に飛ぶ」に続く単行本第2弾! その名も「黒博物館スプリンガルド」!! 装丁が古い書物っぽい、当時の時代を思わせる凝ったもの。最初見たときは「うわっ!紙ボロボロやん!」って思ったりw さっそく読んでみました~^^
先生の描く女性の強さ、優しさ、そしてそれを守る男性の力強さはやはり神!!
今回も6話だけの短編なんですが、様々な犯罪での証拠品などを集める黒博物館に所蔵される「スプリンガルドのバネ」を元に、その事件を担当した警部が学芸員(キュレーター)に少しずつ話していくという導入の仕方も読者をスムーズに世界に入り込ませてくれます。 そのキュレーターがフランシーヌに似ているからニヤニヤしてしまうのは自分だけでしょうか?w 表題にもなっている「スプリンガルド」ととは、19世紀のロンドンで、夜中に女性を襲い、服を切り裂き、ただ甲高い笑い声を上げて、バネではねるように飛び去っていく「バネ足ジャック」という怪人のことを指します。 そのバネ足ジャックが姿を消して3年、今まで決して殺人を行わなかったバネ足ジャックが殺人事件を起こして復活。その犯人は!?という流れでナルミ似(笑)の「ジェイムス=ロッケンフィールド」警部が真相を突き詰めていきます。 スプリンガルドの中の人を巡り、一番の疑いをかけられた放蕩貴族「ウォルター=デ=ラ=ボア=ストレイド卿」。この二人の男と、ストレイド卿の屋敷で働くメイド「マーガレット」を軸に物語は進んで行きます。 登場人物の人生の背景の重さ、そういう人間に至った過程というものが非常によく練られており、それを上手くかみ合わせることで説得力のある動機というものをつくり上げて物語の大きな流れが作り上げられていくというのが素晴らしいです。 なぜストレイド卿はここまですさんでいるのか?マーガレットには弱いのか?そのマーガレットはここまで気丈に信念を貫ける強さをもっているのか?ここらあたりのリンクの仕方がホント上手すぎです。 そしてスプリンガルドの最期、あまりの渋さに濡れた、、。(´д`)キュゥン いつもながらヒロインのキャラ立ちがいいですね。大人しい顔して芯の通った強い女性。今回は黒髪、しっかりした眉、まっすぐな眼差しとこりゃからくり~のリーゼロッテまんまですねwだけどこういうのに弱いんだ(´д`)ハァハァ ナルミ似の警部が主人公かと思ってましたが、ストレイド卿の不器用なまでの孤独っぷりが後になるにつれて染み入って、花(マーガレット)を見守る強さに惚れました。 それがこの本編後にあるさらに3話の短編「マザア・グウス」に繋がるわけですが、これまた鳥肌ものの展開ですな。 「きれいな花を咲かせる人は孤独なときを耐えなければならない」=「人間にとっての最高ってヤツは変わっていくってことだろうからな」 ずっと同じではなく花のように成長し変わっていくのが人生っていうのがテーマなのかなぁ?なんか今回は直接的な表現が無くてまだ2回ほどしか読んでないので読み解ききれない。 でも藤田先生の毎回根本的なテーマは「愛情」にあると思っているので、それは今回も踏襲されているんではないでしょうか。 採点は 90点!!(100点満点中) 展開が「邪眼~」のようなジェットコースター的な展開ではなく、じっくりと腰をすえた展開なのでたぎるよりも静かに、けど心は熱くみたいな感情が沸いてた。 あとは戦闘シーンの描写が圧巻。大開きでの戦闘シーンの描写とか情報量が物凄く、一枚の絵画としてなりたちそうなほど。(スプリンガルドが街中で大立ち回りをするところとか) 青年誌に移ったことで、表現的に少年誌でアウトな(子どもの生々しい裸とか)部分も取り入れられ、やりたいことに幅が出来たように感じられ今後とも期待できそう。 やっぱ凄いわ、藤田神!! 次回は学芸員のフランシーヌさん(もどき)に名前をあげて、活躍させてください^^ >>関連 ■【漫画】【新刊】『邪眼は月輪に飛ぶ』(藤田和日郎) ![]() ランキングに参加してます~。最初のページでフランシーヌ!!(゚∀゚)キターってオモタ人はモルスァとクリックをお願いします^^ FC2 Blog Ranking
|
|
|
||
管理者だけに閲覧 | ||
|
|